いつもながら慌ただしく時間が過ぎ、あっという間に帰宅の途へ。
お天気がいまいち。台風のせいか、金曜はかなりの雨が降った。
田舎の一軒家はかなり冷える。風邪ひきはゴメンなので、シャツブラウスにセーター、親にあげたベストを重ね着する。
翌日は打って変わって少し気温が上がる。親にあげたブラウスにモヘアのセーター、薄手のコートを羽織り、同窓会に出かけた。少し暑い。
祖父の葬儀以来だから、10数年も口をきいていなかった相手。
最寄り駅で買い物中、仏花は何束買えばいいのかと実家に電話を入れた。
耳の悪い親の代わりに彼が出たので、少しびっくりする。
「あんまり遅いから心配した」らしい。
私鉄に乗り換えようとしたら、各駅電車しか来ず、のんびり座って行くことにしたせいだ。
到着すると出迎えてくれた。
若い頃と同じように会話が進む。10数年の時間が吹き飛んでしまう。
わだかまりのようなものは感じない。不思議なものだ。
早寝の親が床にはいると、近況を話し出した。
こちらが聞かずとも相手がしゃべり出す。
息子の受験だけでなく、もうひとつ理由があっての半年別居予定らしい。
「そんな理由ってあるのか?」「そんな話聞いたことないよ」なんて言わないわたしである。ただ、ひとつ訊きたいことがあったので・・・
「休職中って聞いてるけど」と前置きし、病名を訊いた。本人の口から聞きたかったからだ。
40代から患っているとか。息子が生まれて間もない頃からか。
数種類の薬を服用中。副作用なのか、食生活のせいなのか、相撲レスラー並みの体型である。気にしているようで、実家に来てからは近所を毎日のようにウォーキング。近く復職予定である。
何度目の復職なのか知らないが、合計するとかなりの期間休んでいるはず。解雇にならずに済んでいて、生活にも困っていない様子。(親はそれが心配だっただろう)
メンタルな病を患う。今ではさほど珍しいことではない。
近所のクリニックには頻繁にひとが出入りしている。世の中にはこれほど心の悩みをかかえるひとが多いのかと思う。
ネットで病名を検索してみた。あるきっかけで治る場合もあれば、彼のように長期にわたって悩むひとも多いと言う。
数日間の滞在中、その日常を見つめてみた。
早朝に目が覚めて朝食をとる。しばらくすると床に戻り、寝たり起きたりを繰り返す。夕方ごろに起きだし、夕食。再び床にはいる。(復職すれば生活リズムも一変するだろう)
食事は炭水化物が多い。野菜・肉・魚とバランスの良いメニューというわけにはいかないようだ。(親は料理が不得手なので、食事は彼が用意する)
息子の浪人生活がきっかけでスタートした別居生活。
とにかく来春、サクラ咲くようにと受験生の親でもないのに願うわたしである。